デジタル化が進む現代において、データはもはや使い捨てのビジネス副産物ではありません。データの真価を正確に理解するには、適切な管理だけではなく、そのメリットを生かすための本格的なビジネス戦略が必要となります。
データ管理とデータ戦略の違いは何でしょうか。データは事業経営における資金のようなもので、単に管理するだけでなく、増やすことを考えなければなりません。資金の増大には、戦略が必要です。
インターネットやソーシャルメディアの普及、さらには昨今のモバイル化、デジタル革命により、重要なビジネス情報を含む膨大なデータが組織内に流入しています。そのため、効果的なデータマイニング戦略を怠ることは、犯罪行為に近いと言っても過言ではありません。
効果的なデータ戦略に必要なものとは
これは、データから何を取得したいかによって異なります。通常、データ戦略は組織の全般的なビジネス戦略のサポートを目的に、利益やマーケットシェアの拡大、コスト削減、イノベーションによる製品の差別化、優れた顧客体験の提供などを目指します。
これを実現するには、高品質な情報を適切な関係者に提供し、正しいシステムとプロセスに適用させなければなりません。データ品質管理(DQM)が2019年の最重要ビジネスンテリジェンス(BI)トレンドとして注目されているのはこのためです。
では、効果的なデータ戦略の基礎とはどのようなものでしょうか。
- 特定データと定義データ。図書館では目録を作成し、蔵書をわかりやすく管理していますが、データもこれと同様に命名やフォーマット化、値の割り当てが必要です。
- ストレージ。データは企業にとって重要な資産です。そのため、データハウジングだけでなく、システム間のデータ転送と共有を可能にするため、組織のストレージ容量を十分に備えておく必要があります。
- ルールとアクセスに関するガイドライン。一貫したデータ管理を実現するには、データガバナンスに関するルールとポリシーを企業全体で統一しなければなりません。
- データ処理システム。システムに送信されるデータは、そのほとんど(場合によってはすべて)が生データの形態です。つまり、これらのデータはソースが異なるため、フォーマットや品質レベルにばらつきが生じます。よって、転送する前にデータクレンジングとデータのエンリッチ化が必要です。
顧客や競合他社に関する細粒度の詳細など、品質情報や貴重なインサイトには、こうしたデータクレンジングやデータのエンリッチ化が必要です。また、取得したインサイトには適切かつ迅速な対応が求められます。たとえば、特定の時期に特定のチャネルで特定の製品の売上が伸びている場合、その分野の広告やプロモーションを強化するだけでなく、的を絞ったデータマイニングを実施して、成功の理由を探り、さらなる販売向上とブランドロイヤルティの改善に努めなければなりません。
MDMはどのようにして企業におけるデータ戦略の中核を担うのか
いくら優れた戦略を立てても、適切に遂行しなければ、まったく意味がありません。そこで威力を発揮するのが、最新技術を搭載したマスターデータ管理(MDM)ソリューションです。
Gartnerでは、MDMを「経営とITを融合することで、企業公式の共有マスターデータ資産の統一を図り、正確性、スチュワードシップ、セマンティクスの一貫性、アカウンタビリティを保つテクノロジーベースの規律である」と定義しています。
MDMでは、一貫性のある真の最新データとして位置づけられる「ゴールデンレコード」を利用し、全体像を明らかにして、消費者や製品、サプライヤー、店舗といっビジネスに関連するデータエンティティの関係について深い理解をもたらします。
MDMは次の分野で実力を発揮します。
- データ品質の確保
- 役割や責任の割り当て
- ビジネス要件に応じたプロセスの確立
- 共存する複数のドメインからのデータ取得、処理、モデリング
- 組織内における情報共有
- 異なるソースから取得したアセットやコンテンツの統合
企業のデータ戦略は、長期的目標の達成に向けたロードマップです。事業活動の定期的な見直しと評価に役立つMDMは、変化し続ける消費者のニーズに応じて、組織やブランドの継続的な成功と進化を実現します。
商品データに関しては、サプライヤーなどと連携しながら、データの取得・共有を促進し、さらにデジタルアセットと関連付けして、正確で信頼できる商品データの360度ビューを提供することが、ビジネス成長において重要なデータ戦略となっています。それを可能にするのが、次世代型へと進化した商品情報管理(PIM)です。Contentservが提供する商品情報管理(PIM)、デジタルアセット管理(DAM)、マスターデータ管理(MDM)機能を統合した次世代PIMプラットフォームで実現する価値について、お気軽に問い合わせ、または製品資料をご確認ください。