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ミズノと工機ホールディングスに聞く
〜PIMを活用した成長戦略〜

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ミズノと工機 ホールディングスに聞く 〜PIMを活用した成長戦略

企業がデジタル変革を実現するためには、柔軟かつ全体最適化されたデータ基盤を指向するとともに、顧客の行動変容や価値基準に合わせてビジネスを再構築することが求められています。デジタル中心へと移行する顧客とのコミュニケーションにおいて欠かせない要素として注目されるのが、商品情報管理(PIM:Product Information Management)」です。

今回は、ミズノ株式会社 総合企画室 グローバルデジタル統括室 マネジャーの芹澤 剛氏、工機ホールディングス株式会社 製品開発本部プロダクトマネジメント室 Launch Design Dept. 部長の加藤 統子氏をお招きし、PIMを活用した成長戦略について伺いました。その内容を一部ご紹介します。

本記事はContentserv年次イベント「Product Experience Summit Tokyo 2020」におけるユーザ座談会の内容をもとに編集しました。


グローバルに事業を展開する

ミズノと工機ホールディングス

 

Contentserv 渡辺BtoCの商材とBtoBの商材をPIMで管理することの同じ点もあれば異なる点もあり、PIMプロジェクトのリアルについて、ミズノ様、工機ホールディングス様に聞いていきたいと思います。まずは会社紹介、自己紹介を改めてお願いします。

ミズノ 芹澤:ミズノ株式会社の芹澤と申します。よろしくお願いします。当社は、スポーツ用品とスポーツの振興を通じて事業をし ています。 特徴としてはかなり広いジャンルの競技用品、最近は生活用品、ワーカー向けの商品も展開しています。今年話題になったのはマスク、弊社でマウスカバーと呼んでいる商品が非常に反響をいただいています。 

日本発のブランドとして、グローバルに事業を展開しています。アメリカ、ヨーロッパ、アジア諸国、オセアニア諸国など、本日のメインテーマにもなりますがさまざまなリージョンで製品を展開しています。

私は、新卒でミズノに入社してから18年くらい勤務しています。情報システム部門から営業部門、商品企画、マーケティング部門、 PIM上流と言われるPLM(Product Lifecycle Management仕組みの構築プロジェクトを経験して、現在デジタル統括を担当しています。

工機ホールディングス 加藤工機ホールディングスの加藤統子と申します。よろしくお願いします。工機ホールディングスは、電動工具、空気工具など工具関係の製造販売をしているメーカーです。70年の歴史を持つ企業で、旧社名は日立工機です。2017年に外資の投資ファンドの投資を受けて日立グループの傘下から離脱しています。そのタイミングでそれまで日立工機というブランドで売っていた工具をHiKOKIという名前に変えて、また、ヨーロッパで買収した老舗企業のmetaboというコンストラクション系に強い工具メーカーのブランドを使って、現在工具に関しては、HiKOKImetabometabo HPT という3つのブランドをグローバル展開しています。 

2019年の初めに工機ホールディングスに入社しています。それまでは日本の精密機器メーカーの富士ゼロックスで製品企画やプロダクトマネージメントを担当していました。工機ホールディングスでのリブランディングをする機会にマーケティング機能を強化したいという会社としての方針が、そのタイミングで入ってます。インパクトドリルやハンマー、園芸工具などの製品の調査から製品企画、ローンチまでを見ている部門に所属しています

フル動画は、こちらにてご視聴ください。

 

DX戦略においてPIMは "ハイジーン"

Contentserv 渡辺どのような経緯でPIM導入に至ったか、その背景についてお聞かせください。 

ミズノ 芹澤:大きく3つ理由があります。1つめは、情報修正に関連するロスです。世界中で使っている情報を管理できていなかったので、情報の修正が発生すると、Webであれば修正で済むのですが、紙のカタログ等は刷り直しが発生し、金銭的なロス、そして間違った情報を提供したことによるクレームへの対応に人的リソースがとられてしまう、ということがありました。

2つめは、本来の業務にリソースが回らないストレスです。コロナ以前から、そしてコロナ後はさらにeコマース、特に自社のeコマースの売上比率がますます上がっています。そのような状況でeコマース部隊のリソースが商品マスタの作成にとられてしまって、本来はCRMMAを回していきたいのに、そこまでリソースが回らない状態でした。 

3つめは、個人的にはこれが PIMの大事な役割だと思っており、グローバルで共通の商品マスタがない状態だったので、売上分析しようにも在庫分析しようにも、非常にマンパワーがかかるという状況がありました。 

当社としては、これら3点を改善、改革していく上でPIMが必要ということになりました。  

工機ホールディングス 加藤氏:当社の方は、2017年にブランド名をHiKOKIに変更したタイミングで会社の成長戦略のひとつとしてDX戦略が作られました。そのときにPIMは”ハイジーン”、公衆衛生と一緒であって当たり前のものであるという位置づけがなされました。

紆余曲折はありましたが、プロジェクトのスタート自体は方針として決まっていました。実際に当社が抱えていた問題点は、芹澤さんがお話になった点とほぼ同じで、そうした問題を解決しない限り、機能しないというのが最初の認識としてありました。

PIMとDAMが統合されているのは

Contentservの特徴

Contentserv 渡辺PIMと冠がついているソリューションがいくつもある中で、Contentservを選んでいただいた理由をお聞かせください。 

ミズノ 芹澤氏:導入スコープとコストが見合っているかという点ももちろんありますが、当社としては、PIMDAMデジタルアセット管理)のソリューションが、統合されているということが大事なポイントでした。PIMDAMがバラバラだと、それをまた紐づけるものが別途必要になってしまうからです。 

また、これまで各リージョンが個々にやってきたことをグローバルで揃えていきたいという思いがあったので、製品面でもサポート面でもグローバル対応できる、というのもポイントのひとつでした。 

Contentserv 渡辺:コンテンツサプライチェーン全体を俯瞰してみると、たとえ日本のお客様だけにビジネスをされている企業でも、サプライヤーなどベンダーサイド等で海外のエコシステムが含まれる企業がほとんどで、要件的にグローバルじゃないPIMってほぼないです。やはりグローバルなサポート提供力は、評価のポイントになるということですね。

工機ホールディングス 加藤氏:こういったシステムやパッケージを提供している企業は欧米が多いので、当社としては日本でダイレクトサポートが受けられること、特に導入時のサポートが手厚いことを第一条件としていました。実際に探してみると意外となくて、Contentservは日本でサポートが受けられるという点がよかったです。そして、コスト比較でリーズナブルだったこと、導入期間が短かったこともあります。

PIMのROIについて

Contentserv 渡辺PIMの必要性がわかって、比較の結果Contentservがいいとなったら、次は社内の稟議・決裁という話になると思いますが、決裁を得るためのロジック作りはどのように行われたのでしょうか。

ミズノ 芹澤氏ROIを強く求められる中で、PIMは性質上、導入したらすぐ売上が上がると言えるようなソリューションではないので、コストカットの側面を細かく積み上げていきました。 しかし、コスト改善プロジェクトのみではないので、これを通じて未来にはここまで行くことを目指します、という話を必ずセットでするようにしていました。

Contentserv 渡辺: PIMは前例が少なく、どうやってROIを説明していくのか、というのは皆さん苦労されているので、とても参考になると思います。 工機さんは最初から上層部のご理解があったので、入口は少し違うかなと思いますが、いかがですか? 

- 工機ホールディングス 加藤氏実は難しかったというのが現実ですね。まずPIMとは何かというところからのスタートでした。DX戦略には賛成も細かい話になるとすんなりとはいかず、別予算POCを行って、その結果を報告して本格運用の予算が承認され、半年以上かかりました。

PIMプロジェクト推進の秘訣とは

Contentserv 渡辺 IT部門ではなくてDXやプロダクトマネジメントという立場でPIMプロジェクトを推進していると思いますが、プロジェクト体制についてお聞かせください。 

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ミズノ 芹澤氏:体制作りのポイントは3つあり、1は、販売側である各リージョンと、製品を企画開発して作っていくヘッドクォーター側をつなぐハブとしての事務局をいかに機能させるかということが重要であると考えました。 

2つめは、商品マスタの管理等にも関連するため、各リージョンにおいてマーケティングや販売側だけではなく、商品マスタ管理部門にも入ってもらっています。 

3つめは、ある程度上からのプレッシャーが必要な部分もあるので、各リージョンの管理者も巻き込みながら進めています。 

工機ホールディングス 加藤氏:プロジェクトのオーナー、リーダーをプロダクトマネジメント室が担当し、関連する部門のメンバーをマネジメントオフィサーとして置くことで、PIMのワークフローや情報の管理元はプロダクトマネジメント室であるということを明確にしています。メンバーはクロスファンクションなので様々な部門のメンバーが入っていまして、ミズノさんと同様に、各地域と連携するために地域ごとにプロジェクトのカウンターを置いています 

PIMはDXの基盤として機能する

Contentserv 渡辺:次にPIMの導入効果を伺いたいのですが、いかがでしょうか。

ミズノ 芹澤氏:まず、DAMの即効性を感じています。これまでいろんなツールで様々なデジタルアセットを作っていましたが、DAMをひとつ置くことで、とてもコントロールが効くようになりました。一方PIMの方は、上流も下流ももう少し設計が必要で、今後のフェーズで各リージョン、プロダクトで取り組んでいきたいと考えています。 

この取り組みを進めていくと、グローバルMDM商品マスタとして機能していくので、DXのスタート地点と言いますか、そうした展望が見えてきたところは、期待以上の効果がでているなと感じています。 

Contentserv 渡辺:ありがとうございます。工機ホールディングスはまだ導入したばかりですので、効果という面では難しいかもしれませんが、現段階で何か効用を感じてらっしゃることはありますか。

工機ホールディングス 加藤氏:まだ具体的なところはありませんが、POCや本格運用に向けた準備の中でワークフローを定義しました。これまで縦割りでなかなか上流から下流までどういう風に情報が流れ、業務がつながっていくかという見えていなかったのですが、ワークフローを定義したことで見えるようになり、自分の業務を改善したり、変わっていくことがわかってきたという声を実際に聞いたので、そこはよかったかなと思っています。 

ミズノ 芹澤氏:プロセスの可視化は、本当に大事ですね。意外と部分しか見えていないこともあって、全体をみてこうしようといった話を、PIMプロジェクトを契機にできたというのは結構あります。 

これからPIMプロジェクトに取り組む方々へ

Contentserv 渡辺:我々がよくいただく質問として、プロジェクトの工数や期間があります。スコープや進め方によってもかなり違うと思いますが、 その辺をお聞かせください。

ミズノ 芹澤氏:当社は最初からプロダクトや対象を小さくスタートしたので、一番最初のプロジェクトで実装から Go Liveまで実質半年くらいです。 そこからプロダクトを絞って進めてきて、これからまさにフェーズ2としてリージョンやプロダクトを広げて進めていこうとしています。基本は半年サイクルでイメージしています。 

工機ホールディングス 加藤氏:最初の4か月は環境構築にあてて、まず北米、次にヨーロッパと日本、そのあとAPACと三か月ごとに製品のデータ提供を開始するということを考えています。 

ロールアウトのスケジュールをたてる際に、どれくらいが十分なのかもしくは足りないのか、その目安がなく苦労しましたが、ミズノさんはどういうことを参考にして GoLiveまでの期間の目安を決められたのでしょうか。 

ミズノ 芹澤氏:複数の要因があるので、なかなか単純にはいかないと思います。我々の場合は製品のローンチサイクルの影響が結構大きいです。半年のサイクルで回っているものが多く、上流のプロダクトの納期がそのサイクルで動いているので、そこに合わせることを重視しました。 

Contentserv 渡辺:両社ともリージョンという括りでロールアウトされているということですね。会社によってはeコマースやCMSといったデジタルチャネル軸で開始されるところもあったり、それとリージョンの掛け合わせで進めていくといったところもあります。 

ミズノ 芹澤氏:おっしゃる通り、プロダクト、リージョン、チャネルとあって、さらにブランドがあるとさらに増えますが、どこを優先するかというのはちゃんと決めておいたほうがスムーズに進むかなと思います。 

Contentserv 渡辺:プロジェクトにはどうしても苦労もつきものだと思いますが、実際のユーザー企業様のお話は、他のお客様にも参考になる部分が多かったのではないかと思います。貴重なお話をありがとうございました 

■プレスリリース「ミズノ、グローバルビジネスの商品情報基盤にContentservを採用」はこちら

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