情報を武器にする今日の顧客は、必要な商品を迅速かつ簡単に見つけることを期待しています。これは、実店舗で買い物をする場合でも、PCやモバイルでのオンラインショッピングでも、新しいチャネル(アプリやソーシャルメディアなど)での買い物でも同様です。
マルチチャネルの世界において、ブランドや小売業者は、魅力的な商品コンテンツを展開して目立たなくてはなりません。そうすることが、お客様の期待に応え、売上を伸ばし、ブランドロイヤリティを高めることにつながるのです。
しかし、優れた商品体験を提供することは容易ではありません。企業内の情報のサイロ化、マニュアルプロセス、古いシステム、一貫性のないデータ、膨大な情報の管理などの要因が重なり、実現がより困難になっています。
PIM(商品情報管理)の概要について、5分動画でご覧ください。
改めて、PIM(商品情報管理)とは?
商品情報管理(PIM)とは、製品をさまざまな流通チャンネルで販売するために必要なすべての情報を管理するプロセスまたは関連するソリューションです。 商品データを中心とした基盤を使用し、自社のウェブサイトやAmazonなどのマーケットプレイス、カタログ、広告、SNS、店舗、取引先へのデータ配信を可能にします。これにより、充実した顧客体験の構築、社内プロセスの最適化、パートナーネットワークとの関係強化など、さまざまなメリットが得られます。
なぜPIMが必要?
PIMは、商品データのオンボーディング、統合、管理、配信を効率的に行うためのマーケティングテクノロジーです。なぜこのような概念やツールが必要なのでしょうか。
現代の購買行動には多くの要素が関与しています。デジタル化の加速、顧客接点の多様化、顧客ニーズの多様化などは、さまざまな業種の企業に共通する変化です。
消費者や企業の購買担当者は、オンラインやオフラインを問わず、複数の情報源から自分の求める情報を入手し、取捨選択しながら意思決定を行う傾向があります。そのため、リッチなデジタルコンテンツ(画像や動画)が重要です。また、情報の一貫性や正確性、パーソナライゼーションによるチャンネルや顧客属性に応じた情報の適切な配信も重要な要素です。
このようなニーズに応えるためには、優れたオンラインショップやウェブサイト、詳細な顧客情報や分析データを持つだけでは十分ではありません。商品のバリエーションやブランド、マーケット、チャンネル、顧客のペルソナなど、要素の組み合わせは非常に多岐にわたるため、適切な情報基盤が欠かせません。それがなければ、これらの要素に対処することは困難となってしまいます。
業務の欠如がデジタルセールスやデジタルマーケティングのボトルネックになることも少なくありません。カタログ制作、コマース、ウェブデザイン、マーケティング、営業、店舗スタッフなど、異なる役割を持つ人々が信頼できる一元的なデータソースにアクセスし、業務を行うことで情報の一貫性を確保します。
また、マーケティングオートメーションやECサイトへのデータの自動連携には、PIMによって管理される構造化された商品データが必要不可欠です。これにより、データのシンジケーションがスムーズに行われます。
PIMがフィットする組織の特徴
では、どのような組織がPIMを必要とするのでしょうか。いくつかの典型的な特徴がこちらです。
- 幅広い製品ラインナップや多様な製品の組み合わせがある
- 製品が頻繁に変化し、入れ替えが発生する
- 販売チャネルが多様であり、または増やす予定がある
- 偏在するITインフラストラクチャを使用しなければならない
- オンラインビジネスの比重が高く、または増加傾向にある
- グローバルマーケットでのビジネス翻訳のニーズが高い
つまり、裏を返せば、単一の市場や販売チャネル、限られた商品展開をする企業においては、PIMの必要性はそれほど高くないと言えます。
しかしながら、インターネットがグローバルマーケットへのアクセスを容易にし、D2C、オムニチャネルなどのマルチチャネル戦略が重要視される現在、多くの企業は何らかの形でこのようなビジネス環境と関わらざるを得ません。
PIMのユーザー
では、PIMはどのような人々にとって役立つのでしょうか。組織のあり方やビジネスによって、業務のユーザーは多岐に渡ります。IT情報システム担当やマーケティングプロモーション担当はもちろん、コンテンツ制作、制作会社、マーチャンダイジング、コマースなどのチャネル担当者、営業、保守サポート、コールセンター、カスタマーサポート、店舗スタッフ、販売店や代理店などの外部ユーザーまで、実に多くの人が日々の業務で商品情報を扱っています。
こういったさまざまな部門と、さまざまな役割を持った人々が、一元化された正確で最新の情報に素早くアクセスできる環境をサポートするのが業務の大きな役割の一つです。
PIMのポジション
顧客に向けて商品情報やコンテンツを提供する担当者の周りには、それを管理するためのシステムがすでに存在し、広く使われています。では、PIMは、これらの既存のソリューションとは何が異なるのでしょうか。
例えば、ERPや商品マスタなどの基幹系システムは、企業活動には欠かせない存在です。ここでは、価格や在庫、材料などの情報がトランザクションを含めて厳密に管理されています。また、製品開発や保守のために使われる仕様や技術情報を管理するプロダクトライフサイクルマネジメント(PLM)やPDM、さらには画像や動画のストレージであるデジタルアセットマネジメント DAMやコンテンツマネージメントシステム(CMS)、顧客情報を扱うCRM、マーケティングオートメーションなど、多くの商品に関するデータが存在しているでしょう。
しかし、周りを見渡してみても、最新の情報が統合的に管理でき、コラボレーションやクリエイティブのポータルとなるようなシステムは見当たりません。基幹系のシステムはビジネスアプリケーションではないため、アクセスできるユーザーは限られており、通常は部門を超えたコラボレーションやコンテンツの充実化、ワークフロー管理などの機能を持っていません。
CMSはコンテンツマネジメントシステムの名のとおり、実際にはPIMの一部の機能を備えた運用が行われることもありますが、それでも構造化された商品データの生成や保管には適していません。一般的なCMSの主な目的は、オンラインチャネルへのコンテンツパブリケーションであり、検索性やシンジケーションの観点からは、データベースとしての用途には限界があります。
担当者は、異なる目的を持つシステムやツールの間を行ったり来たりしながら、データを編集・加工し、オンラインストレージやエクセルなどを使用して業務を行っていることが一般的です。
PIMは、これらの仕組みと連携してデータの一貫性、正確性、検索性を確保し、業務の効率化やプロセスの自動化を促進してくれます。メディアに依存しない効率的なデータ収集、製品データの管理、データガバナンス、およびチャネルへの迅速な情報配信を実現するPIMは、ますます重要性が高まっていくでしょう。
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