Forrester社のアナリストの「PIMとDAM – コンテンツ戦略の強力タッグ(PIM and DAM Are The Power Couple For Your Content Strategy)」レポートの中で、今日の小売業におけるデジタルな商品体験の重要性と今後の動向について考察しています。これは、メーカーや販売店がどのように自社のポジションを確立していくかを考える上でとても参考になります。
その核になるものとして言及されているのが、まったく新しい可能性と機会を切り開くソフトウェアのドリーム・チーム、PIM(商品情報管理)とDAM(デジタルアセット管理)です。PIMとDAMは、マーケティング、セールス、ITをはじめ、カスタマージャーニーに関わるすべてのチームの共通基盤となり、ビジネスをドライブします。
ここではその概要をご紹介します。ご興味を持たれた方はぜひレポートをお読みください。
社会状況:デジタル化の進展とEコマースにおける顧客要求の高まり
eコマースが活発化していることは、もはや周知の事実です。新型コロナウィルスの世界的な大流行によってその傾向はさらに強まり、オンラインビジネスは、従来型のビジネスの5倍の速さで成長しています。その一方で、お客様の要求も非常に高くなっています。
商品に納得してもらうには、一貫性のある包括的な情報だけでなく、説得力のある視覚的な情報も求められています。そのため企業にとっては、明確な戦略を立て、商品体験にフォーカスをあてた対策を打っていくことがこれまで以上に重要になっています。
今すぐ行動すべき3つの理由
オンライン化が進み、ブランドや小売業者は、この市場での地位を確立する必要に迫られています。さらに、次の3つの主要な洞察からも、まさに今、eコマースで包括的な商品体験を重視すべきと言えるでしょう。
1.標準的な説明文やストックフォトだけでは、もはや十分ではない
これは、B2CとB2Bの両方のお客様に言えることです。B2Bの顧客のうち、67%が単なるセールスコンテンツは役に立たないと考えています。より効果的なもとのして、例えば、製品やその特徴を紹介する動画が挙げられます。またリッチコンテンツは、顕著なSEOの効果につながります。
2. 充実した商品情報は、コンバージョンを高めるだけでなく、返品率の低下にもつながる
米国の成人の約5人に1人が、注文した商品の説明が実際と異なっていたために返品した経験があると答えています。これは、正確な商品情報があれば簡単に回避できるコスト要因です。
3. オフラインでの購入にも、デジタルが大きく影響している
店頭で購入する前にスマートフォンを手にすることは、もはや当たり前になってきました。ブランドや小売業者は、価格比較を恐れるのではなく、デジタル技術を利用して、カスタマージャーニーをより豊かなものにし、付加的な体験を提供することに目を向けるべきです。
eコマースで成功した商品コンテンツの参考例
アナリストたちは、戦略の変更がeコマースに何をもたらすのか、そして、そこにどのような可能性があるのか、実際の印象的な例を挙げて説明してくれています。例えば、バイクやスポーツウェアのメーカーであるダイネーゼ社は、従来のシンプルな商品説明を、画像や動画、説明文を丁寧に充実させて改善しました。
その結果、エンゲージメントとコンバージョン率が最大で4倍になっています。他の企業では、商品を実際の状況で見せるライフスタイルイメージや、3Dビジュアライゼーションで顕著な成功を収めています。デジタルスペースの可能性をうまく活用すれば、市場にまったく新しい可能性が生まれ、誤発注によるコストも削減できることがわかります。
障害の特定と新しい商品体験の創造
もちろん、事例と同じように効果的な商品体験を実現したいと思っても、途中で障害が発生することもあります。例えば、多くの企業では、各分野で複数のソフトウェアが並行して使用されており、すべてのシステムが共通の基準で運用されていることはほとんどありません。その結果、多くのデータがサイロの中でしか利用できず、十分な評価ができないといった状況がおこります。
PIMとDAMに関していえば、基本的な問題点として、PIMは主にIT関連で、DAMは主にマーケティング関連で使用されていることが挙げられます。それにより、効率的な管理とブランドの認知度向上という目的が、互いに補完し合うのではなく、邪魔し合ってしまうことが多いのです。そのため、ソフトウェア、データ、チームを有意義な方法で統合するためには、どこから手を付け、どう調和プロセスを開始するかが重要です。
本レポートで、アナリストたちは、これを成功させ、PIMとDAMのドリームチームがその力を十分に発揮するための行動について貴重な提言をしています。PIMとDAMの活用について質問などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。