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オムニチャネルは死んでいない、
進化しただけ

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オムニチャネルは死んでいない、進化しただけ

「オムニチャネルは死んだ」と言う人がいますが、おそらく、物理的な店舗とデジタルショップをシームレス化するという概念がまだ少し抽象的だった、初期の頃のオムニチャネルを指して言っているのではないでしょうか。その頃、企業は、消費者についての充実したインサイトを持たない中で、いつでもどこでも購入できるようにと、さまざまなエンゲージメントオプションやショッピングオプションを闇雲に提供していました。いわゆるアプリ作成型のソーシャルメディア戦略です。

しかし、消費者の行動を捉えたデータが蓄積され、AR や AI といったテクノロジが進化するにつれて、オムニチャネルは、チャネルを中心としたものから、真に顧客を中心にしたものへと変わりつつあります。これに伴い、テクノロジーの採用も戦略的になり、各チャネルで明らかになった消費者の振る舞いや期待に基づくようになりました。

目指すべきは、ノイズを除去し、オムニチャネルをさらに成熟させることです。なぜなら、46,000 人の消費者を対象にしたある調査で明らかになっているように、現在、そしてこれからの消費者は「オムニチャネルの買い物客」だからです。

  • オンラインのみを利用: 7%
  • 店舗のみを利用: 20%
  • 複数のチャネルを利用(オムニチャネル): 73%

消費者と画面が切っても切れない関係にある時代

優れたコンテンツと卓越したショッピング体験で消費者をもてなす、またとない機会が到来しています。

消費者が画面を見る時間が増えているということは(過去 5 年間で画面を見る時間が増えたと答えた人は 79%)、企業にとってコミュニケーションやエンゲージメントのチャンスが増えていることを意味します。目覚めた瞬間に消費者に話しかけることさえ(その逆に、消費者から話しかけてもらうことも)可能になっています。TechTimes によれば、ベッドから出る前に携帯をチェックする人は 46% に上っています。

しかも、消費者とのコミュニケーションに使えるデバイスは 1 つや 2 つではありません。いくつもあります。平均して毎日 3 つ以上のデバイスを切り替えて使っているという消費者が 90% も存在しているのです。

こうしたトレンドを背景に、いくつものデバイスを使い分ける消費者を顧客に変えるには包括的なクロスデバイス戦略を立てることが今や必須であると考えるマーケティング担当者が 84% に上っています。

さらに、画面を見る時間(特にスマートフォンとショッピング関連)についての注目すべき数字をご紹介しましょう。

  • 店舗内でスマートフォンを使用できることは、体験の重要な要素であると考える消費者: 71%
  • 自宅で商品を調べるのにモバイルデバイスを使用する消費者: 56%
  • 店舗へ向かう途中で在庫をチェックする消費者: 38%
  • 店舗内でも商品を調べ続ける消費者: 58%

これらの数字からわかることで、店舗のオーナーがすぐに行動に移せること、それは Wi-Fi 環境の整備です。というのも、スマートフォンが手放せない今の世代にとって Wi-Fi は基本的な設備であり、優れたコンテンツを提供すれば、店舗を訪れた人のスマートフォンを情報通の店員として活用できるからです。また、Displaydata/Planet Retail RNG のレポートによれば、消費者のほぼ半分近く(42%)が、Wi-Fi のない店舗での体験を満足できないと感じています。

収益につながる方法を消費者が教えてくれる時代

消費者は、何らかの見返りと引き換えなら、企業に情報を提供してもよいと考えています。今の消費者がすばらしいのは、気分を害する体験だったか、それとも心地よい体験だったかをブランドにも、全世界にも積極的に知らせてくれることです。

そして、消費者を喜ばせているのは、ほとんどの場合、オムニチャネル戦略を取っている企業です。V12 によれば、オムニチャネル戦略を採用している企業は、次のような成果を挙げています。

  • 顧客維持 - カスタマーエンゲージメントでオムニチャネル戦略を取っている企業は、顧客の 89% を維持しています。
  • ロイヤルティ - 一貫性のあるサービスと体験を提供していれば、51% がその小売業者を選び続けます。

この調査では、消費者に次の質問も投げかけました。

「同じ小売業者から提供される体験が、購入方法によって違っていたことはありますか(たとえば、オンラインと店舗、異なる店舗間、コールセンターと店舗など)」

そうした経験があると答えたのは 61% でした。

では、一貫性以外に、消費者は何を求めているのでしょうか。BRP によれば、オムニチャネルの買い物客が望んでいることの上位には、次のような項目が入ります。

  • 商品のレビューや評価が可能であること: 62%
  • 保存された購入履歴や個人的な好みに基づいて自分が認識され、パーソナルな体験ができること: 64%
  • すべてのタッチポイントの注文を追跡できること: 73%
  • 返品プロセスが自動化されていること: 68%

配送や受け取りに関するオプションも、要望の多い分野です。

  • 無料配送: 50%
  • 店舗での受け取り: 73%

AR AI 音声技術を活用したオムニチャネルの未来像

おそらくオムニチャネルは「進化した」と言うより「進化中」と言った方が正確でしょう。テクノロジの進歩に伴い、ショッピングのための新しい革新的な方法が市場に導入されていくからです。

最近では、ホンダの Dream Drive がその好例でしょう。このアプリケーションを使えば、ドライバーは車内のネットワーク接続されたダッシュボードで目的地を確認したり、エンターテインメントを楽しめるだけでなく、買い物に関するさまざまなお勧め情報を受け取れます。ホンダは、この試みを成功させるために、さまざまな小売業者やコンテンツプロバイダと連携しています。

[出典:  ホンダ

AR

拡張現実(AR)と仮想現実(VR)は「次の 1 兆ドル産業」です。IKEA 社の Place AR アプリは、家具業界における AR を牽引しています。

[出典: IKEA 社]

家具のショッピングがこんなにも楽しく、ためになり、便利なことがいまだかつてあったでしょうか。

Mastercard 社も AR を活用したショッピングに参入しています。ODG 社の R-9 スマートグラスを使った店舗内サービスでは、買い物客の身体的特徴を認識して即座に情報を表示し、一人ひとりに合った商品を推奨します。支払いもシームレスかつ安全に行うことができます。

[出典: Mastercard 社]

医療業界や教育界も、Microsoft HoloLens がもたらす革新的な機能を活用し始めました。インタラクティブなホログラムほど、人を惹きつけ、安全かつ倫理的、そして効果的に生体の構造を学べる方法はないでしょう。

[出典: Case 社]

AI 音声技術

2019 年現在、音声認識市場は 6 億 100 万ドル規模に留まっていますが、2022 年までには 400 億ドル規模に達すると見られています。まだ黎明期にあるものの、Amazon 社の Echo、Google 社の Google Home、Apple 社の HomePod は、アメリカの 32% の家庭に置かれ、声を聴き取って、学習を続けています。

近い将来、Amazon 社の Alexa for BusinessMicrosoft 社の Cortana Skills Kit for EnterpriseGoogle アシスタント、IBM 社の Watson Assistant といった音声アシスタントテクノロジは、コールセンターやセルフサービスシステム、従来型の店舗で当たり前のものになるでしょう。

[出典: Amazon 社]

[出典: Microsoft 社]

オムニチャネルの顧客体験は、小売とコマースの未来を握っています。途方もないアイデアも実現できるテクノロジが次々と登場していることからも明らかなように、オムニチャネルが終わるという考えは完全に捨て、あらゆるチャネルを通じて消費者に一貫性のある極上のサービスを提供することに集中する時期が来ていると言ってよいでしょう。

オムニチャネル商品情報管理基盤となるPIMとは?

「PIM基本機能と次世代型への進化」: PIMとは、そのメリット、PIMのユーザーなど、商品情報管理(PIM)入門ガイドをご覧ください。