ショッピングは複雑化しています。お店に行って商品を手に取り、レジまで歩いて行ってお金を払って終わり、という単純なプロセスから進化しており、今日、多くの買い物客は、その利便性とアクセスのしやすさから、実店舗ではなくオンラインショッピングを利用しています。指先で様々なチャネルやデバイスを駆使して、購入したい商品の情報を根気よく探しています。
eコマースが活況を呈し、その売上が2023年までに740億ドル1を超えると予想される理由のひとつが、こうした購買行動です。また、ブランドや小売業者がeコマースチャネルを最適化し、複数のマーケットプレースに進出しなければならない理由でもあります。
eコマースチャネルを最適化するには、商品情報(詳細情報、画像、動画、評価、レビュー)を、既存の基準や要件を満たしつつ、簡単かつ効率的に、頻繁に配信できるようにしておかなければなりません。これは、商品コンテンツ・シンジケーションと呼ばれ、複数のチャネルで商品情報を効果的に同期させることを意味します。
しかし、商品コンテンツ・シンジケーションは、容易なことではありません。特にマニュアルで行う場合はなおさらです。なぜなら、
- eコマースプラットフォームやマーケットプレースによってフォーマットや要件が異なる
- 商品コンテンツの検証に時間がかかる
- 複数のチャネルですべての商品情報を整備する必要がある
- 手動で更新するためのスタッフの人件費が高い
からです。
さらに、こうした手作業によるプロセスは、以下のようなデメリットをもたらす場合があります。
- 商品を市場に投入するまでの時間が長くなる
- 一貫性のない、不正確な、あるいは古い商品コンテンツを消費者が目にした場合の評判の低下
- 市場機会の逸失
- コンプライアンス違反によるマーケットプレイスからの排除の可能性
このように、商品コンテンツ・シンジケーションは、ブランドや小売業者にとって非常に手間がかかるものですが、改善できるのでしょうか?
答えはイエスです。シンジケーションは自動化できます。
自動化することで、商品コンテンツ・シンジケーションは次のことを実現します。
- 商品情報の変換。様々なeコマースプラットフォームに商品情報を公開するには、フォーマットやスタイルなどの要件を満たすよう商品データを変換する必要があります。これらの要件はプラットフォームごとに異なるため、初歩的なマッピングの知識では対応できません。自動化されたコンテンツ・シンジケーターは、タクソノミーレベルでコンテンツをマッピングするアルゴリズムを利用しています。
- 複数チャネルに商品情報を自動配信。商品コンテンツを複数の販売チャネルへ自動的に共有します。これによって、すべての販売チャネルに簡単に最新情報を提供することができます。
- 商品コンテンツを最新の状態に維持。一貫性のない古い商品情報は売上低下につながり、ブランドの評判にも影響を与えます。高品質で最新の商品コンテンツを自動的に同期することで、Eコマースショップに常に正しい情報を提供することができます。
商品コンテンツ・シンジケーションの自動化
ブランドや小売業者は、商品情報管理(PIM)ソリューションを活用して商品コンテンツを管理し、拡充しています。次は、商品コンテンツをシステムから各eコマースチャネルにアップロードし、手直しする手段が必要です。
ありがたいことに、多くのeコマースベンダーが、ビジネスを中断させずに配信する手段を提供しています。ソフトウェアベンダーと提携し、自社のeコマースプラットフォームとの統合機能を開発しているのです。例えば、PIMベンダーはAPIを開発したり、独自のコネクタを作成したりしてeコマースプラットフォームと統合することで、ブランドや小売業者が最適な商品コンテンツを投入できるようにしています。 この種の統合を実現しているeコマースプラットフォームの一例が、 Magento(Adobe社)、BigCommerce、OroCommerce、plentymarketsなどです。
PIMシステムとeコマースプラットフォームを接続することで、ブランドや小売業者が期待できる効果には次のようなものがあります。
- 同期した商品データを様々なチャネルへ自動配信
- 複数のeコマースショップを簡単に管理
- リッチで完全な最新のデータを用いた商品情報の最適化
- 一貫性のある魅力的な顧客体験を促進
- 商品コンテンツのシンジケーション作業を簡素化
- カゴ落ちと返品を最小限に抑制
eコマースプラットフォームへの商品コンテンツ・シンジケーションを効率的に行うことで、ブランドは膨大な時間と労力をかけなくても顧客体験を最適化することができます。デジタル競争に打ち勝つためには、これは不可欠です。
“15年前、商品購入の際に消費者が利用するタッチポイントは平均して2つであり、いつも4つ以上のタッチポイントを利用していたのは7%にすぎませんでした。現在の消費者は、平均して約6つのタッチポイントを利用し、50%が4つ以上のタッチポイントを利用しています。”– Marketing Week2