COVID-19のまん延を防ぐために屋内に留まる人々が増える中、この新たな現実により、人々がどこで、どのように買い物をするかに変化が生じる可能性があることは驚くに値しません。このような変化が一時的か永続的なのかは月日が過ぎるまでわかりませんが、パンデミックがもたらす人口統計学的な購買行動への影響を観察し始めることはできます。
慎重なミレニアル世代の行動変容
ミレニアル世代は、お金について慎重であり、支出の方法、理由、時期、場所について注意深いと特徴づけられることが多いグループです。たとえば、彼らの現在の支出額は、別の年齢層が10年前に支出していた額よりも$20低いのです1 。
ミレニアル世代の慎重さの理由を説明する説はいくつかありますが、2007年のグレートリセッションにより形作られたとするものが最も有力です。それにもかかわらず、このグループの今後数十年にわたる購買ポテンシャルは最大です。それが、企業が彼らの購買行動を理解し、ニーズに対応し、期待に応えられるよう先を争っている理由です。
では、このパンデミックが彼らの購買行動に与えている影響はどのようなものでしょうか。感染拡大初期に実施された調査によると、ミレニアル世代の54%がCOVID-19が購買の意思決定に顕著な、あるいはある程度の影響を与えていると回答しています。
これは世代別で見ると最も高く、ベビーブーム世代は33%、X世代は42%、Z世代は49%となっています2。さらに、回答者の39%が店舗での購入頻度が減っていると答えており、ミレニアル世代の30%はオンラインショッピングの頻度が高くなっていると答えています。
ミレニアル世代の支出に対する慎重な態度は、以下のように地域社会におけるCOVID-19に関するニュースへの反応に反映されています3。
- 39%がコロナウイルスに関するニュースが購買方法に影響を与えていると回答
- 36%がコロナウイルスが商品への支出額に影響を与えていると回答
- 40%がコロナウイルスの影響への準備のために支出を減らしていると回答
- 34%がコロナウイルスの感染拡大を見越した商品の購入を増やすと回答
無関心なベビーブーム世代の行動変容
COVID-19による合併症のリスクが最も高いにもかかわらず、ベビーブーム世代は新型コロナウイルスへの感染に対して最も関心が薄い年齢グループです4 。
実際に、ミレニアル世代の53%が心配だと回答しているのに対して、ベビーブーム世代で心配だと回答したのは43%にとどまり、これはパンデミックによる購買行動の変化の度合いを反映しています。たとえば、コロナウイルスの感染拡大によって食料品の買い物について行動を変えたと回答したのはベビーブーム世代のわずか20%です5。
通常、年齢の高い世代は新しいテクノロジーの採用が遅れがちです。ベビーブーム世代とeコマースの関係においては、特に食料品やファッションの分野でこれが当てはまります。感染拡大によりオンラインでの食料品の買い物を選ぶ人々が増えているにもかかわらず、ベビーブーム世代で店舗での買い物を減らしたのは22%のみで、オンラインでの買い物を増やしたのはわずか8%です。
これらの数字は他の世代と比べて著しく低いのですが、これらの行動の変化は永続的なものである可能性に留意することが重要です。たとえば、パンデミックの最中にオンラインでの食料品購入を試したベビーブーム世代は、長期的にもこの行動を続ける可能性があるということです6。
性別による違い
COVID-19パンデミックによる消費者行動への影響が異なるのは世代間だけの話ではありません。コロナウイルスによる男性と女性の購買行動への影響は違うため、性別間でも結果がまったく異なっています。一般的に感染拡大の影響に対する懸念をより強く表明するのは女性ですが、以下のように購買行動を変える可能性が高いのは男性です7。
- パンデミックが商品への支出額に影響すると回答した女性は25%なのに対し、男性は33%
- オンラインショッピングが増えたと回答した女性は18%なのに対し、男性は24%
調査の大半はパンデミックの初期に実施されたことに留意する必要があります。したがって、より制限の強い防疫対策に移行する地域社会が増えるに伴い、数字も変化する可能性があると考えられます。
ただし、小売業者およびD2Cメーカーはこれらの行動の変化を非常に注意深く監視し続ける必要があります。消費者の変化を理解することが、通常の状態に戻ったときの成功に不可欠です。この危機を乗り越えた消費者に見識の変化、通常でない購買行動、さまざまなテクノロジーツールの活用が見られる可能性が高いと考えられます。