「前回の経済危機にある行動をした企業は、その転換期にさらに力をつけ、絞る焦点をより明確にして危機を脱し、リーダーシップをその後も発揮しています。そうした勝者は対応が素早く、現金を温存して他社が投資できない場合に備えていました。」 - Gartner
ドットコムバブル、金融恐慌、そして今回の新型コロナウイルスのパンデミックにおいて、組織は何度でも危機を脱し、機会に順応し、さらに力をつけていくすべを探す必要があります。経済が不確実な時期にあり、ビジネスの戦略計画と順応する能力は、戦いや生き残りが求められるときに試されてきます。
毎年、多くの産業が手には追えない出来事によって不確実な期間を経験します。したがって、ビジネスは常にリスク管理計画を準備する必要があります。企業は「どのように脅威を軽減するか?」「どのように機会を活用するか?」「どのように持続可能に成長するか?」などの課題に取り組むことができなければなりません。
大きな危機でも生き残るために必要なもの
脅威は、デジタル・ディスラプション、M&A、セキュリティー侵害、異なるビジネスモデルの新しい競合他社、業界を変えるテクノロジー、消費者需要の変化など、数多くの形でやってきます。
ますます高まる不確実性の時代に対応する能力とは、現金の準備があることだけではありません。よく練られたビジネス戦略を実行するには、高度に機能するチームと適したテクノロジーも必要です。
危機の最中にあっては、すべての人が同じ方向へ動かなければならないので、組織は部門とその人々の足並みが揃うようにしなければなりません。この足並みを揃えるということは、自信と次のことを行う強力な経営陣のリーダーシップチームによって生まれます。
- 明確で、一貫性のあるビジョンや戦略を伝える
- 機会や脅威が起きる前に予測する
- 長期的な成長のため、チャンスではなく、リスクをとる
- 柔軟性と変化に価値を尊重する文化的なマインドセットを育てる
エキスパートに聞く
Contentservは世界中のリーダーにインタビューを行い、この危機を更に強くなって抜け出すために何に投資しているか、前向きな変化のためにどのような機会を見つけたか、そして今日私たち誰もが使える知恵とはなにかについてのインサイトを伺いました。
Q1: 経済的に不確実なときに、何に投資をしていますか?
スキルアップ
「当社の差別化要素は人です。したがって、景気下降時の1番の投資は、チームをアップデートするトレーニングです。必要な投資には、クラウド、機械学習、拡張コマースシステム、マスターデータ管理や統合などが含まれます。」
Greg Wong, Pivotree
オンラインプレゼンス
「私たちは新しいアナリスト企業なので、時間はウェブプレゼンスを拡大するために使います。現在新しいオンライン市場の概要の策定に投資をしています。」
Jürgen Burger, SIMIO
危機管理
「私たちは以前にも増して集中的に対処しています。現在の危機にあってはパラダイムシフトの考え方を持つか構築し、厳しい時期の間、現在のビジョンよりも先を行く危機のビジョンを策定することが重要です。俊敏で柔軟であることも重要です。変化に素早く対応できるからです。」
Michael Kugler, parsionate
新しいビジネスモデル
「私たちは顧客のために、この危機の現在、そしてその後を支援するためのコンセプトや新しいビジネスモデルの構築に取り組んでいます。」
Stefan Herold, Osudio
従業員と顧客サポート
「私たちにとって最も重要なことは、従業員への投資、そして顧客とパートナーに誠実な支援を提供することです。」
Martin Philipp, Evalanche
Q2: この時期に見いだした前向きな変化のための機会とは何ですか?
トレーニングとワークショップ
「私たちはすでに、オンサイトでの実施が考えられなかったワークショップやトレーニングセッションを実施しました。幸い、非常に前向きなフィードバックを頂きました。」
Sven Henckel, Laudert GmbH + Co. KG
コンテンツ政策
「デジタル対応力を強化するため、コンテンツ制作を通じて顧客に新しい種類のサポートを提供します。」
Claus Hänle, Listen Consulting
戦略的パートナーシップ
「より戦略的なパートナーシップと迅速かつ適応的な製品構築により、変化するビジネスランドスケープを支援します。」
Emile Bloemen, Productsup
顧客中心主義
「私たちのモットーは、顧客の絶え間ない順応を支援することです。今ほど、顧客に変化が大切なときはありません。私たちにとって、このパンデミックが持つ前向きな意味は、モットーを述べるだけでなく、実行せざるを得なくなったことです。」
Greg Wong, Pivotree
イノベーション
「私たちはクリエイティブコンテンツの作成において、更なるイノベーション、そしてデジタルマーケティングの「基準」を超えるパーソナライズされた方法でオーディエンスと繋がる方法を想定しています。」
Derick Price, Big Button I/O
学習
「ホリスティックなレベル、つまり人、プロセス、そしてテクノロジーにおいて、組織としてデジタル時代への準備がどれだけできているかを自覚することで、市場の不確実性に素早く順応します。この自覚だけでも、すでに私たちの業務を改善し、前向きな変化のための領域を強化しました。」
Patricia Kastner, Contentserv
Q3: 他のビジネスを支援できる知恵を教えていただけますか?
「前向きに考える!ということです。ウェブ会議に参加することについて、受け入れ体制や意欲が不足していたことなどは気になさらないでください。終日のワークショップをいくつかのトピックに分割すると、簡単に数日に分散させることができます。」
Sven Henckel, Laudert GmbH + Co. KG
「適切な戦略と信頼できるコミュニケーションがあれば、企業は持ち前の強みを生かすことが出来ます。オープンに、目的を持って位置づけさえすれば、この危機の中でも顧客のための問い合わせ先となり、スタビライザーとなるでしょう。そしていつか終息したとき、人の記憶にあるのは、急に姿を消してしまった者でなく困難なときに市場に積極的に存在を示した者です。」
Martin Philipp, Evalanche
「危機のとき、関係する人々を守りましょう。そうすれば、彼らがビジネスを守ってくれます。」
Greg Wong, Pivotree
「困難な時代を生き抜くには私たち、顧客、そして社会の全体が共に支えあい、支援しあうことが重要です。」
Emile Bloemen, Productsup
「既存の経済モデルは、継続した安定性をもたらさないことが明らかになりました。連鎖する不運な状況、人知を超えたことにより、世界経済や政治の意思決定者の努力は、正しいことをしても、最後には失敗することがあると再認識しました。この意味で、人生というのは制御することができません。常に、新しく、異なった方法で事に当たる機会や必要性があります。このウイルスによって、正常とは何か強制的に問いを突きつけられています。しかし、この危機を通じ、変化する能力を学ぶこともできると思います。」
Michael Fieg, parsionate
この記事にすべての回答を含めることはできませんでした。それでも、これらを読むと従業員への投資とパートナーシップの強化に並び、危機のときでも顧客をサポートすることが最優先事項であることは明確です。
私のアドバイスは、人に投資すること、チャンスではなく、リスクをとることです。
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※本記事の内容は2020年4月9日更新の英語版ブログ記事の訳です。