Vaillant社について
冷暖房空調技術分野における世界的なテクノロジーリーダーのVaillant( バイラント)グル ープは 、世界30カ国以上で高エネルギー効率化製品やシステムを展開しています。1874年に創業されたVaillant社(本社 ドイツ)は、売上高が23億ユーロを超える、ヨーロッパでは業界で2番目に大きなメーカーです。
Vaillantの製品は多数の部品で構成され、個々のお客様の要望に応じて部品を組み込み、暖房システムなどの完成品として提供されています。 プロフェッショナルと認定された業者が販売とコンサルティングを行い、エンドユーザ向けオンライン・サービス情報、コンサルティングサービスも提供しています。
導入背景
Vaillant社では、販売や特殊貿易のため、複雑な製品構造を透過的にマップすることが非常に重要です。そのため、大変な労力を使って、毎年最大900ページもの総合価格表、業種別の特別価格表を作成・印刷しています。製品の最新情報をオンラインカタログでも提供しています。
年間を通して多数の価格調整が行われるため、特に印刷媒体では、最新の価格情報に更新してもそれを使う期間が短いのは実情です。グローバルマーケットに対して、支店の販売スタッフや、海外のサービスプロバイダには、常に最新情報にアップデートされるプリント/オンライン情報メディアを提供していくための施策が求められていました。また、特殊貿易・建造物貿易の慣例に従って、すべての製品情報とマーケティング資料を提供しなければなりません。これにより、適切なデータ互換とカテゴライズ、インターフェースに対応することが不可欠でした。
様々な商品情報管理(PIM)システムと比較検討した結果、 Contentservソリューションの導入を決め、 SDZeCOM 社を導入支援パートナーに選びました。
要件
総合価格表では、制御ユニット、接続部品、暖房機器などの製品とオプション品が表形式の製品概要、多数の画像、技術図面、 機能、価格と並んでリストに掲載されます。
Vaillantの既存PIMシステムでは、販売製品と個々の組合せ可能部品の複雑な構造と関係性をマッピングすることができませんでした。PIMで関する製品同士の複雑な構造、属性を柔軟にマッピングすることがもっとも重要な要件となっていました。
- PIM上の製品構成/属性の柔軟なマッピング
- 直感的なインターフェースによる簡単なデータメンテナンス
- ワークフロー制御によるデータクオリティの確保、時間とコストの軽減
- 運用設定マニュアル/企画資料/画像などのデジタルアセットの一元管理
- InDesignファイル、PDF出力に対応し、製品情報変更の自動更新を行えるDatabase Publishingで、カタログ管理を自動化
- PIMからオンラインの製品コンフィギュレータへのデータ供給
- Magentoベースのオンライン小売店/電子カタログへの安全なデータ配信
- 様々な国の特定販売や建造物貿易の慣例に従って製品情報を提供するため 、DATANORM 、 GAEB、Arge Neue Medienなど標準的なデータ交換基準とインターフェースの対応
- 多言語翻訳管理を統合し、新ブランド・子会社の国際展開対応
- 製品/配信/サービス/部品管理/物流に関する総合ビジネス情報の提供など、将来の要件に対応可能な拡張性の高いシステム
ソリューション
Contentserv PIMによる柔軟性の高いデータモデル、使いやすいインターフェースや連携メディアへの即時自動更新により、要件にあった迅速なデータ調整を実現しました。 Vaillant社で必要とされていた製品情報のグループ/タイプ/組合せ可能部品/種類などの属性を、既存PIMからのデータ移行が完了するまでに、所望の構造でPIM上に作成することに成功しました。また、複数言語で製品情報を管理し、 翻訳プロセスも一元的に修正・管理ができるようになりました。
画像データや企画・運用設定マニュアル/PDF/レイアウトテンプレートなど、該当メディアデータを管理するために、Contentservデジタルアセット管理DAM機能とシームレスな統合を実施しました。DAMでは、デジタルデータのバージョン管理や属性管理、キーワードの管理を可能にしました。 DAMでデジタルアセットを一元的に格納し、検索やフィルタリング機能を組み込み、PIM上の製品と紐付けることで、現在、45,000を超えるデジタルアセットの管理を行っています。ユーザが「使用先一覧」で、 どのデータが何時どこで使用されたかの概要状況を確認可能になり、 加えて、直感的なDAMポータルインターフェースを介して、写真撮影中に制作会社と従業員の間での承認プロセスをドキュメント化することができるようになりました。
また、PIMの出力プロセスにより、効率的かつ高度に自動化されたカタログ・価格表の作成を実現しました。ユーザは、ルールで規定されたテンプレートを介して、動的なドラッグアンドドロップ操作により所望の製品を価格表やカタログに反映・作成・出力できるようになりました。結果、総合価格表、卸売価格表、パッケージおよび追加特別価格表、 企画書の作成時間が従来に比べ大幅に短縮されました。完成した価格表は、InDesignドキュメントとして保存することができ、WebベースのContentserv InDesign Editorを使用してWebブラウザで直接仕上げをすることも可能です。オンラインeコマースポータル用のデータ出力、eカタログ用の製品コンフィギュレータと専用交換フォーマットも一元的に作成され、ボタン一つで出力可能になりました。
ワークフローとユーザ権限管理では、システム内の業務フローとアクセス権をマッピングし、編集アクションとタスクを管理する。データメンテナンスの合理化、作成・出力プロセスを容易に行うことで、 データ管理業務効率が大幅に向上しました。
導入効果
Contentservは、商品の構造、属性のマッピング、ワークフロー支援、柔軟なデータ出力が可能な一元管理システムによって、運用設定マニュアル、企画資料、画像を含めてあらゆるデータを一元管理し、社内外のチャネルでシームレスに提供する基盤を提供しました。 複雑な製品バリエーションや継続的に発生する情報変更の多さにも関わらず、PIMとDAMの統合管理は、透明性の高い製品構造や直感的なワークフロー管理によって商品情報メンテナンスの効率を大幅に向上させました。
また、InDesignファイル、PDF出力に対応しデータ更新・変更が自動反映されるData Publishingによるカタログ管理、DATANORM、 GAEB、Arge Neue Medienなどのデータ交換基準とインターフェース対応のeカタログ作成により、国別価格表・カタログ制作にかかる時間とコストを大幅に削減できました。オンラインチャネルでも製品構成を含む最新の製品情報の配信を効率化しました。多言語翻訳管理機能を統合し、 新ブランド・子会社の国際展開にも対応し、グローバルで市場投入時間の大幅な短縮を実現できました。