空調・換気システムのトップメーカーであるTROX社は、Contentservを活用し、製品の市場投入時間の短縮に成功しています。
TROX社 - 空気を操る技術
TROX社は、空調・換気システム、デバイス、コンポーネントの開発・製造・販売における世界的なマーケットリーダーです。 五大陸で取引を行い、31の子会社を持ち、70カ国以上で事業を展開しています。従業員数は世界中に約4,000人、生産拠点は18か所、2019年には5億3,000万ユーロを超える収益を上げています。
1951年に設立されたTROX社は、主に建築家、都市計画、請負業者など顧客のニーズに合わせたソリューションを開発し、世界的に高い評価を得ています。 同社は、エネルギー効率を最大限に高めることを信条としており、その技術は、製品やシステムを設置する際の大掛かりな設計や工事を最小限に抑えることができます。このアプローチにより、持続可能性と人と環境双方の幸福を優先しています。
導入前の課題
2017年以前、TROX社は市場から撤退した旧来型のPIMシステムを使用していました。振り返ってみれば、複雑で使い勝手が悪く、柔軟性に欠けたシステムでしたが、このソリューションを利用して約600種類の製品を管理していました。それぞれの製品に、グローバルで最大20億種類のバリエーションがあり、さらに、79,000以上のデジタルアセットを管理していました。製品コンテンツは17言語にローカライズされており、その複雑さは増すばかりでした。
同社のプロセスは少人数のドキュメンテーションマネージャーに依存しており、彼らが複数のシステムを使って手作業でローカリゼーションを行い、データの品質をチェックしてデータフローを管理するという方法をとっていました。この方法は、非効率的で信頼性に欠け、エラーが発生しやすく、時間とコストがかかっていました。常に、締め切りに間に合わない、製品の発売が遅れるなどのリスクがつきまとい、TROX社の収益にも影響を与えていたのです。
こうした非効率性を改善するために、より近代的で柔軟かつ堅牢なソリューションが求められました。TROX社は、PIMシステムを置き換えることが商品情報管理に対するアプローチを見直す機会になると考えたのです。
要件
従来のPIMシステムを置き換えることを決めたTROX社は、新しいテクノロジーベンダーを選択する際の重要な要素として、早くからユーザビリティを挙げていました。世界各地の子会社にいる複数のユーザーが簡単にシステムにアクセスし、並行して作業できるようにする必要があったのです。
加えて、以下のような要件がありました。
- スケーラビリティ
- 技術文書やその他の社内プロセスの最適化
- 製品データの一元管理
- 製品データやデジタルアセットの充実化
- 自動翻訳管理
- 製品データシート、価格表、ウェブサイト、証明書、製品構成、スペアパーツ管理などのアセットを統合的に作成可能
- 複雑なテーブル構造のマッピング
実装
TROX社は、9ヶ月に及ぶ徹底的な検討プロセスを経て、Contentservを選択しました。11社のプロバイダーを評価し、そのうち4社で最終的な検討が行われた末の結果でした。
当初、旧式のPIMシステムが廃止された際に新システムにアクセスできたのは、ドイツのTROX本社にいる一部のユーザーに限られていました。しかし、すぐに企業全体、複数のビジネスユニット、部門がグローバルにアクセスできるよう、ユーザーと役割が設定されました。
TROX社はContentservの導入によって、多様な構成オプションを持つ複雑な製品を管理するシステムを構築することができました。同時に柔軟な Contentserv DAM(デジタルアセット管理)コンポーネントを使ってデジタルアセットをシステムに統合し、タグ付けしています。さらには、Smart Document機能を用いて、製品データシートや価格表を作成しています。
また、翻訳プロセスを自動化するために、複数言語に対応する国際的なワークフローを構築したことも、導入時の重要なポイントでした。
導入効果
TROX社のDocumentation ManagerであるKlaus Pochert氏によると、今では400人近いユーザーが正確な製品情報にアクセスしています。また、ワークフローの自動化によって、修正作業やデータメンテナンスなどの社内プロセスが最適化されました。
Contentservを導入したことで、TROX社の業務効率は飛躍的に向上しました。より多くのユーザーが高品質な製品データを利用できるようになっただけでなく、洗練された翻訳プロセスにより、製品情報を世界中のグループや子会社に配信する際の効率が向上しました。これにより、TROX社は製品をより早く市場に投入し、より高い収益を上げることが可能になったのです。
本プロジェクトの成功は他の部署にも注目されており、各部署で活用され始めています。マーケティング部と人事部はContentserv DAM機能を活用しています。営業チームは、データ変換機能、特にフォーマット変換機能が気に入ってこのシステムを活用しています。こうした例は、効率的で柔軟性があり、ユーザーフレンドリーなPIMシステムが支持されている証拠です。
"今日では、ドイツの本社からIT、製品管理、ドキュメントなど、システムを使用する全部門がすべてを管理できるようになりました。"
- TROX社, ドキュメンテーション管理部